暗記と記憶

Vol. 0012

学校の試験には、暗記しなくてはいけないことがたくさんあります。それを試験前に一夜漬けしようと思っても、まずうまくいきません。英単語や歴史的人物など、なかなか覚えられません。

僕も覚えることが苦手で、受験勉強や定期テストは苦労しました。

一方で、過去の楽しかった旅行や、バースデーパーティの事、部活の試合で勝ったこと、負けたこと、失恋とか傷ついた事や、自然災害や戦争で受けた苦しみなどは、深く記憶に刻まれて、忘れようとしても忘れられません。

その違いは何なんでしょう?

答えは、そこに感情があるかないかです。少しでも、ほんの少しでも、そこに感情がブルッ震えたら、それは記憶に残ります。

感情と出来事(覚えること)が脳の中で繋がると、記憶が深くなります。

英単語ですが、単語だけで覚えようとしても限界があります。必ず例文で覚えるようにしましょう。そして、例文も、自分の経験や好きな事を入れて、自己流に文章を変えて覚えるのが効果的です。

例えば、The bus is caught in a traffic jam. (中2英語)なら、
My father’s car is caught in a traffic jam. のように、お父さんの車を主語にして文章を変えて覚えていると、文章がより身近に感じるし、日常のことで「お父さん大変だな」とちょっとだけでも自分の優しい感情に触れることになります。

あとは「この前の家族旅行は渋滞でたいへんだったな We were caught in a traffic jam in the family vacation last summer.」とか「お父さんが遅くなると夕食が遅れるんだよな~ The dinner is late because of the traffic jam.」「お腹すいたな Hungry!」などとイメージが広がり、自分のほかの記憶とも結びついて、そこからの感情を借りてくる(関連させる)ことも出来ます。関連するほかの単語も、覚えやすくなります。

声に出して覚えると、日常会話でも使えて、今度、家族旅行に行ったときにでも使えます。英単語を覚えながら、文章も覚えて、英会話にも使えて、家族の前で使うと、「すごい!」って褒められる。まさに、一石二鳥。三鳥、四鳥。

何よりも、覚えることが楽しくなりますよ。

一旦楽しくなると、苦手意識が消えていき、いくら大量に覚えることがあっても、苦痛にならなくなります。

大量の暗記で、もうひとつ大事なこと。

それは、忘れることを恐れないことです。

暗記の量が増えると、実際、忘れる量も多くなります。それは当たり前。そんな、一回で覚えられるなんてありません。後は、繰り返し、繰り返しです。

初めから完璧を目指したらダメ。それに、「どうせ忘れるんだから」といって、やらないのが一番ダメ。

赤ちゃんだって、何度も立ちごけしながら、やっと、つかまり立ちし、支えなしで立てるようになります。初めから「どうせ立てないし、すぐ転ぶし」と思っている赤ちゃんなんていませんよ。

 

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