Vol. 0416
本日もブログをご覧いただきありがとうございます。
国語力と理系脳を鍛え、グローバル人材を育てる学習塾ペガサス府中夢教室・塾長の仲山です。
弱点に縛られない生き方
前回のブログで、全盲のドラマー、酒井響希(さかいひびき)くんの話をしました。
小児がんから2歳で両目摘出。真っ暗闇の絶望と不安の中から、
響希くんが掴んだ「音」への興味、そしてドラムとの出会いは、
絶望に追い込まれた家族の中に一条の光を差し込みました。
その光は年を追うごとに輝きを増し、
響希くんは3歳から視覚支援学校に通いながらも、ドラムの練習を続け、
ついにプロのミュージシャンDef Techとの舞台に立つことが出来ました。
その後も、パプリカを歌う「Foorin楽団」のドラマーを務めるなど、
全盲の中学2年生とは思えない程の光を放っています。
響希くんは、自身の強みに集中し、とことん打ち込むことで、
誰もが到達できなかった場所へ最短で辿り着いたのです。
自身の弱点に縛られることはありませんでした。
日本の常識「弱点克服」
一方で、五体満足に生まれ、何不自由なく生活してきた小学生や中学生。
(話をわかりやすくするために、割り切った表現をしています。どうぞご容赦ください。)
せっかく五体満足に生まれたにも拘らず、自分の興味あることや得意なことに時間を費やすことは少なく、
出来ていないところ、遅れているところ、得意でないところを過剰に指摘され、
弱点克服のために貴重な時間を使っています。
日本では「弱点克服」は、ある種、美徳であると捉えられています。
努力して、自分の苦手なところを克服する。このことで自己成長が促され、精神が鍛えられると。
これは、価値観ですから「良い」「悪い」は、ありません。
ただ、わたしは、世の中があまりにも「弱点克服」に傾いていると、
せっかくの子どもたちの才能を潰してしまうと思っています。
海外では「弱点克服」は非常識
わたしはアメリカでの生活が長かったおかげで、たくさんの子育て世代の家庭を見る機会がありました。
その中でアメリカの家庭で間違いなく共通していることがありました。
学校の成績よりも、その子の好きな事、得意なことを親たちが自慢するのです。
ボーイスカウトでリーダーをしているとか、ダンスクラスで賞を取ったとか、
アイスホッケーのジュニアチームに所属しているとか。
めちゃくちゃ子どもの自慢を聞かされます。
アメリカの親は、子どもの出来る事にフォーカスし続けることが出来るのです。
出来ない事に関しては、全くと言っていい程しゃべりません。
まるで、弱点が存在しないかのようです。
当の子ども達も、下手なんだけど自信満々でバイオリンを聞かせてくれたり、
下手なんだけど「エイッエイッ」と大声を出しながら空手の型を見せてくれたりします。
学校の勉強よりも政治家の選挙キャンペーンに情熱を注ぐ子もいます。
16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんなどを見ていると、その内容が良い悪いは横に置いて、素晴らしい行動力と自己表現力、リーダーシップだと思います。
とにかく、海外では子ども達一人ひとりの自己肯定感が高いのです。
日本の若者は自己肯定感が低い
内閣府の若者の意識調査でも明らかです。
わたしは、ここまで日本の子どもの自己肯定感が低いのは、
あまりにも「弱点克服」に時間とエネルギーを使いすぎるからだと思っています。
少子高齢化、AI時代、5G、withコロナ、米中貿易戦争・・・ 時代が急速に変化しているこんな時に、
弱点克服では戦っていけないのは明らかです。
それよりも長所伸長、得意を伸ばすことに時間を費やした方がどれほど生産的か。
つまり、「長所伸長」こそ「子育ての戦略」なのです。
同調圧力に屈せず、自分のやりたいことを貫いていける自己肯定感は、
子どもの頃どれだけ長所を伸ばせたかに掛かっています。
これからの時代を生きていく子どもたちには、響希くんのドラムスのような強力な武器が必要です。
時代を生きていくための武器を子どもに与えてあげましょう!
「今すぐに」です。
応援団長より😀
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