Vol. 0058
もしかして、Tくんもここら辺から数学のセンスが
狂ってきたのかなと思いました。
もしそうなら、思ったより根が深いかもしれない。
つまり、九九と算数との橋渡しが出来ていないのではないか。。。と。
Aちゃんはその後すぐに、
「ななかけはちは?」とか「さんかけろくは?」とかの質問に
ちゃんと答えられるようになりました。
がーーーー、しかし、
「ななかけるはちは?」とか「さんかけるろくは?」のように、
たまに「る」が入ると、混乱してしまいます。
どうやら私の言っている「かけ」とか「かける」とかが、
掛け算の「掛け」と同じ単語だとわかっていなかった様です。
これは驚きでした。
要は、国語力なんですね。
「掛け算」が出来るようになるには
国語力が不可欠です。
例えば、
『4チームでドッジボールをします。
1チームを9人とすると、
ぜんぶで何人いるでしょう。』
という文章が理解できる程度の国語力が
ないと、掛け算の理解は厳しいと思います。
上の文章が理解できる子だったら、
まず、9+9+9+9 を計算するでしょう。
始めは、「掛け算」ではなく、
9+9+9+9
で十分です。
教える側の都合で、まず九九を覚えさせて、
計算問題をやらせて、その次に文章題・・・
という流れが定番なのでしょうが、
それだと文章題が苦手な子を
大量発生させてしまいます。
本来の流れは、
まず文章で表現された問題があって、
それを足し算を繰り返すことで解き、
足し算の繰り返しを掛け算で解き、
掛け算を早く楽にやるために九九を使う
というロジックの方が自然に感じます。
とは言っても、今までの流れの方が
教えるときの効率がいいことは確かです。
ですので、私の結論としては、
これまでのAちゃんは掛け算をやっているように
見えて、やってなかったことになります。
だからここに張り付けたような割り算の概念が
理解できません。
小3の算数問題、赤い字は正解です。 答えがわからなくてバツになったあと、 赤で正解を書き込んでいます。 |
必要なのは九九から掛け算への橋渡し・・・
計算問題が人より早くできるとか、九九が何秒で言えるとか
そういう早さに拘(こだわ)るのは、もっと先でも良いと思います。
それよりも、
「九九というのは、実は掛け算のことなんだよ。」
「掛け算というのはね...」という風に、
滑らかに丁寧に、掛け算の考え方を
教えてあげることが、
その後の算数の出来る出来ないに
非常に大きく影響するんだろうな、と感じています。
Aちゃんは何とか間に合った。。。
よかった!
さて、次はTくんだ!