Vol. 0031
やってしまいました。
受験生A君に「何やってんの!」「何フラフラしてんの!」「何のためにここに来てるの?」「帰りなさい!」「もう来ないでいいから!」・・・と。
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あと4カ月で都立高校の入試。
この子の口癖は、「大丈夫」
私:「単元終わった?」
A君:「大丈夫」
私:「ここ分かってないんじゃない?」
A君:「大丈夫」
私:「もう一回やってみる?」
A君:「大丈夫」
私:「本当に?」
A君:「マジ大丈夫っすから」
私:「・・・・」
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そして、Vもぎの結果が返ってきて、「大丈夫」からほど遠い結果が。。。
私もある程度予想はしていましたが、ここまでとは。
これは緊急に集中治療室でのオペレーションが必要なレベル。
しかし、本人の危機感が全くない状況。
私とA君の危機感の違いが原因で、会話はすれ違いの平行線。
で、冒頭の「帰りなさい!」発言に至りました。
「可愛さ余って・・・」というよりも、伝えきれない私自身への情けなさ。
言った後は、言い過ぎたかも・・・でも今言わないでどうする・・・でも彼も自分なりにやってる・・・ひどいことを言った。
いろいろな迷いが脳裏をかすめました。
彼の中に答えはあるはず。
必ずある。
でも、それを引き出せないもどかしさ。
もうA君は来ないだろう、と思っていたら、次の週になって、ケロッとして教室に来ました。
教室に入ってきて、いつもの角っこの席にドカッと座って、フーッと一息。
数学の続きをやり始めました。
何か、いつもと様子が違います。
単元のテストに挑戦しているようでした。
しばらくして、いきなり100点を出してきました。
「え?100点?」
先週はどうやっても50点止まりだったのに、です。
「おー、すごいじゃん。どしたん?」
A君はそれには答えず、黙々と学習を続ける様子。
後ろから彼を見ながら、小さな変化に気づきました。
ノートに書く途中式がきれいなのです。
前までは、途中式はグチャっとノートに書いて、答えを入力していたのが、
今、目の前の彼は、きれいに途中式を書いているのです。
私が、以前から呪文のように唱えていた、「数学は途中式で決まる」というのを実践しているのです。
それを見て、ちょっと胸が熱くなりました。
都立高入試まで、あと4か月。
何とかなるぞ~。