Vol. 0163
本日もブログをご覧いただきありがとうございます。
国語力と理系脳を鍛え、グローバル人材を育てる学習塾ペガサス府中夢教室・塾長の仲山です。
生徒の成長を感じる時、幸せを感じます。
今日は、中3の塾生から英語の質問がありました。
「a」と「the」の使い分けが分からないのですが・・・
「a」も「the」も名詞の前に付く単語で冠詞と呼ばれるものです。日本語には無い概念の言葉なのでどんな時に「a」を使って、どんな時に「the」を使うか、文法的に説明がないと分かりません。
きっと中学1年の頃に学校の英語の授業で説明されているはずですが、その頃から「何だかわからない」が付きまとってきたんだろうと思います。
端的に説明すると、
「a」は、不特定のものを表すとき、
「the」は、特定の、文脈や会話の中で特定できるものを表すときに使う。
(注)「特定」「不特定」という言葉の意味が分からなくて躓く(つまずく)子もいますが、それについてはここでは議論しないことにします。
「a」と「the」の使い分けですが、例えば、
We went to the library.
と言えば、「私たちは図書館に行きました。」と訳せます。the libraryとしているので、その図書館が読者や聞き手(weの話を聞いている人)にも特定できることが重要です。
We went to a library.
日本語では、「a」と「the」の違いはないので、これも同じように「私たちは図書館に行きました。」と訳せます。しかし、ここで言う a libraryは話し手(we)が初めて話すlibraryなので、聞き手は自分の知らないlibrary について話しているのだなと認知します。物語の読者なら「ん?新しい図書館が出てきたぞ、何やら起こりそうだな」と「a」に反応し、今後の展開にワクワクします。
さて、、、
この、「a」と「the」の違い。
単なる英語の文法と捉えていいのでしょうか?
わたしは、これ、『国語力』と思っています。
文章を読んでいく段階で、以前に出てきたものを表現するときに「the」が使われるわけですから、そこで以前の文脈と繋がるわけです。それが長文(特に説明文や論文)を読んでいく際に重要な流れを作っていくわけです。そこが分かっていないと、「全文読んだけど何だか訳が分からなかった。」なんて事になるのです。明らかに国語力なのです。
会話の場面でも、「a」と「the」を聞き分けることによって、あなたの反応が違ってきます。
A君B君「We went to the library.」
あなた「Did you study hard?」
一方、
A君B君「We went to a library.」
あなた「Where?」
上のケースでは図書館はA君とB君とあなたの中の共通認識なので問題にはなっていませんが、下のケースではA君とB君がどこのどんな図書館に行ったのか、興味が湧くのが普通です。まぁ、そういう風にA君・B君が話しているということです。
つまり、英語というのは表現的な技法で、軸は国語力&コミュニケーション能力なのです。
中3の段階で、「a」と「the」の使い分けが分からないのですが・・・のような質問をしてくる子に、「遅いよ、中1の段階で理解していなきゃ」と諭(さと)すのは間違いです。このような質問は国語力が高まって来るからこそ、出来る質問です。
まさに、このタイミングで、洋書のThe Adventures of Tom Sawyer(トム・ソーヤの冒険、語数1000程度)や Beauty and the Beast (美女と野獣、語数1000程度)などを生徒に読ませたら、一発で「a」と「the」の違いなど分かってもらえると思います。問題集の中の「a」や「the」ではなく、生の「a」や「the」を味わうことが出来るのです。
私は、このような質問が出来るようになった生徒に成長を感じました。
受験合格という目前の目標を達成するために、着実に土台(国語力)も固めていく。
国語が出来てから英語ができる。国語が伸びると英語も伸びる。この順番に逆は有りません。
(だから、小学校低学年や幼児期に英会話スクールに通うのはお金の無駄です。話が横道に逸(そ)れるので議論しませんが...)
都立高校受験まであと90日を切りました。
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