Vol. 0029
二学期しょっぱなの定期試験の結果が返却されてきています。
生徒たちは、返却された答案の点数に、一喜一憂。特に、受験生は結果が内申点に直結なので、戦々恐々。
でも一番心配なのは、「いつもの事だよ」みたいに神経麻痺している子。
ねぇ、それで済ませていいの?
英語、あれだけ単語覚えたのに、以前と同じ点数しか取れないって、悔しくない?
数学、あれだけ例題解いたのに、本番で間違っちゃって、おかしくない?
社会、誰よりも三権分立のとこ時間かけてやったのに、だめだったってどういうこと?
国語、漢字のテン・トメ・ハネで減点?恥ずかしくない?
理科、授業で実験やったんでしょ?忘れてた?なんじゃそれ?
いいわけないでしょ。さぁ、教えてください。
塾長は、試験後に、あれやこれやと聞いてくるので、生徒にとってはうるさい存在のようです。
生徒としては「もう試験終わったんだから、いいじゃん」
ということらしいです。
しかし、塾長の仕事はここから始まります。
何故間違いをしたのか、どこで間違えたのか、生徒の記憶が消えてしまうまでに、できるだけ聞き取りをします。
しつこくするつもりはないのですが、、、
「何でこれ間違えたの?」とか、「何でここは、aにしないで、bにしたの?」とか、「途中式はどこに書いたの?」とか、「時間はどれくらいかけたの?」とか、「何でこれは出来てるのに、こっちは出来てないの?」とか、、、時には、「教室の中で席の位置はどこだったの?」とか、「出席番号順だったの?」とか、「先生は見回りに来たの?」とかも聞きます。
だから、生徒はちょっとウンザリ。
何故、塾長は、終わったことをそこまで聞くんでしょうか?
理由は4つ。
1.同じ失敗を繰り返さないため
2.生徒が理解していないところを把握するため
3.問題作成者が何を考えているかを理解するため
4.1点にこだわる姿勢を示すため
1について、
とかく生徒は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、試験が終わると、もうさっさと試験の事は忘れて、テレビやゲームや友達と遊びに行くことに意識が100%向かってます。
いい点を取っても悪い点を取っても、覚えているのは点数くらいで、どんな問題が出たかなど数日で忘れてしまいます。
これでは、同じ失敗を何度も繰り返すことになります。
だから、生徒に試験後の聞き取りをして、今後の試験に注意する点として記録しておくのです。
2について、
答案用紙は宝の宝庫。生徒が理解していないところがハッキリとわかります。
普段、塾で「この子ホントに分かってるんだろうか?」と思って、「ここ大丈夫?」と聞くと「大丈夫」と返事が返ってきます。私も忙しい時はそれ以上聞きません。
しかし、実際の試験結果を見ると明白です。「あ、やっぱり分かってなかったんだ」と。
これ自体、後の祭りと言えばそうなのですが、貴重なデータです。
今後数週間は、間違ったところを重点的に学習していきます。
もちろん有無を言わせぬスパルタ式で!
3.について、
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)「孫子・謀攻編」より
出題された問題について、学校の授業中、先生は何て言っていたか知りたいのです。
例えば、「ここは出るぞ」と言っていたかもしれないし、出題されたところのミニテストがあったかもしれない。学校の授業で強調して説明されたかもしれないし、黒板に色のチョークで書かれたかもしれないし、そこが先生の好きな分野かも知れない。
授業中に、先生がCDプレーヤーを持ってきて、The Beatlesの歌詞を生徒に聞かせて、それが出題されたという例も今回ありました。だったら、次回、授業中に洋楽の歌詞を勉強したら必ず試験に出ると考えていいでしょう。
4.について、
1点にこだわる姿勢を生徒に示すこと。
これ、重要です。
悲しいかな、入試となると1点で合否が分かれる。私個人的にはそういう乱暴な入試制度に否定的です。しかし、現実は、1点の差で線引きが行われる。悲しい現実です。
だから1点・1点が重要なんだよと、生徒に繰り返し刷り込んであげなくてはなりません。
以上、塾長のこだわる聞き取り調査でした。
ご協力、ありがとうございました!