Vol. 0153
本日もブログをご覧いただきありがとうございます。
国語力と理系脳を鍛え、グローバル人材を育てる学習塾ペガサス府中夢教室・塾長の仲山です。
小学生に社会や理科を教えていて、はたと困る事があります。
例えば「世界の中の日本」という単元。
緯線(いせん)と経線(けいせん)を教えるために、まずテキストの文章を読ませます。
小5くん「にほんはあかししをとおるとうけい135どのけいせんをひょうじゅんじしごせんとしています。(棒読み  ̄- ̄)」
私「よし、よく読めたね。で、それどういう意味?」
小5くん「?」
私「日本は明石市を通る東経135度の経線を標準時子午線としているって、これどういう意味か、とりあえず、まぁ分かるところだけでいいからさ、説明してみてくれる?」
小5くん「?????」
ここから先、いろいろと進め方があると思うのですが、
以前は、「じゃぁ、地図帳を出して~!」とか「ちょっと地球儀を持ってきて」とか言って、社会科の説明手順に従って、説明を始めていました。
しかし、これではダメだという事に最近気付きました。
何がダメだったのか?
それは、
「生徒が日本語を理解しているかどうかも確認せずに、地図も地球儀もないでしょう。」
という事、つまり、社会科以前に日本語が理解できていないのです。
上の文は、「日本は」が主語です。そこがまず理解できていない場合が多いのです。理解していてもぼやーっとしか見ていないので、「じゃぁ他の国はどうなんだろう」という発展的な疑問が湧いてきません。
次に、上の文では、
「AをBとする」
という表現も理解できていなければなりません。
例えば、
● 紺のブレザーを制服とする。
● 6時半を起床時間とする。
● かずお君を給食係とする。
というような文章。
さらに、上の文は述語が2つ(「通る」と「います」)の複文構成なので、主述の組み合わせによって文章が複雑になっています。文章が長くなると、「何は、~だ。」という文法の基本構造を抽出(ちゅうしゅつ)することが難しくなるのです。
学年が上がっていくと、このような複雑な国文法も読解し、理解(読解力、思考力)している必要があります。
最終的には、自分で文章を書ける(記述力、表現力)ようになる必要があります。
もちろん、
① 明石市ってどこにある?
② 東経って何?
③ 経線って何?
④ 標準時子午線って何?
という本来の社会科の勉強もしなくてはいけないのですが、それが出来る状態に到達するまでを丹念に教える必要があるのです。(究極の話、①~④なんてググればいくらでも分かる事です。)
社会科の知識を乗せるための土台となる国語力が頑丈に構築されていないと、社会や理科、そして算数の文章題などできるわけがないのです。
況(いわん)や英語をや。。。でしょう。
ですので、現在進行中の「小学校からの英語必修化」など、私は大大大反対なのです。(話が横道に逸(そ)れるので議論しませんが...)
コンピュータで言うと、OSがフニャフニャだとそれに乗るソフトがボロボロになってしまうという事です。OSとはOperating Systemのこと、システム全体を管理する基本ソフト。
日本語は、日本人にとって、将来死ぬまでのOSなのです。
外部の知識を取り入れたり、自分の意思を伝えたり、人とのコミュニケーションを取る基幹OSなのです。
日本語というOSを頑丈に構築しないで、一体これから先どうやって生きていくというのでしょうか?
国語力の向上に近道は有りませんが、そこをしっかりと固めていくしか将来の学力向上はないのです。
これが、小学生の勉強で一番大切なことだと思います。
お知らせ:2学期後半です。入塾生募集❗長期視点をもって、まずは、国語力を鍛えていきましょう。